☆関東の公立高校で一番古い野球部 観戦記 ~水戸一高~

関東各地では春季高校野球の県大会が大詰めを迎えている。その中で目に留まったのが水戸一高である。水戸一高は、今春のセンバツ大会の21世紀枠関東・東京地区候補校に挙がったが、惜しくもセンバツ出場を逃している。水戸一高野球部といえば、関東の公立高校で最古の歴史を有する超伝統校である。

これは観るしかないと思い、JR常磐線快速勝田行に乗車し、J:COMスタジアム土浦に向かった。「勝田(かつた→かった)、水戸一」となるだろうか?

電車は北松戸駅を通過、北松戸駅は春季千葉県大会決勝に進出している専大松戸の最寄り駅だ。

暫くすると、電車は我孫子駅に到着した。我孫子市は今春のセンバツ大会ベスト4に進出し、春季千葉県大会決勝に進出している中央学院の所在地だ。

電車は我孫子駅を出発、日本三大河川の一つ利根川を渡り茨城県に入ると直ぐ取手駅に到着した。取手駅は1984年(昭和59年)に夏の全国制覇を果たした取手二高の最寄り駅だ。

電車は取手駅を出発、キリンビール取手工場を過ぎると、車窓からはのどかな田園風景が見え始めてきた。この辺りは田植えが終わり、苗が初夏を思わせるような日射しを浴び生き生きとしていた。秋にはきっと美味しいお米が獲れるであろう。茨城県は久慈川、那珂川、小貝川、鬼怒川、利根川などの水の潤いにあふれ、温暖な気候もあり古くから稲作が盛んで、米の収穫量全国7位を誇る関東随一の米どころである。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」このように生きたい。
電車は土浦駅に到着した。水戸市、つくば市、日立市、ひたちなか市に次ぐ人口約14万2千人の土浦市には、春夏ともに優勝1回、準優勝1回を誇る常総学院や昨夏の全国大会ベスト4に進出した土浦日大などの強豪校がひしめいている。

土浦駅から徒歩10分弱でJ:COMスタジアム土浦に到着した。目指すは三塁側だ。

 

 

 

水戸一高は茨城県水戸市に所在し、1878年(明治11年)に茨城師範学校予備学科として設立された歴史を有し、北関東屈指の進学校である。
野球部は1891年(明治24年)に創部され、関東の公立高校の中で最も古い歴史を有する。全国的にみても、岐阜、青山学院、慶應義塾、広島国泰寺、学習院、安積に次いで北野と並ぶ7番目の歴史だ。

「一球入魂」で知られ「学生野球の父」と呼ばれる飛田穂洲氏や、長年、早稲田大学の監督を務め、多くのプロ野球選手を育てた石井連藏氏は同校野球部のOBである。両氏ともに野球殿堂入りしている。
ユニフォームは、所謂、早稲田カラーで、胸には「MITO」のマークである。
甲子園には夏のみ3回出場し、通算成績は0勝3敗である。
夏の全国大会予選には、茨城県勢としては竜ヶ崎一、土浦一、水戸商、下妻一、茨城、太田一に次いで、石岡一、水海道一とともに、1925年(大正14年)の第11回大会予選(関東大会)に初参加した。結果は、銚子商に 3 - 4 と惜敗であった。
夏の予選初勝利は、1926年(大正15年)の第12回大会予選(関東大会)で、千葉中(県千葉)に 10 - 3 で勝利した。続く試合も、成田中(成田)に 9 - 0 で勝利し決勝に進出した。決勝では、千葉師範に惜しくも 7 - 8 で敗れた。
夏の予選通算成績は167勝94敗1分である。

 

 

 

※1  水戸一高の校章(写真左上)は、「水」を黄金分割に基づいて型どったものである。

※2  写真のスコアボード後方に見えるのが土浦港。港の中には湖や河川内に所在するものがあり、前者には青森県の子ノ口港、休屋港(十和田湖沿岸)、福島県の翁島港、湖南港(猪苗代湖沿岸)、茨城県の土浦港(霞ケ浦沿岸)、滋賀県の大津港、長浜港、彦根港、竹生島港(琵琶湖沿岸)が、後者には茨城県の潮来港、軽野港(利根川沿岸)や京都府の伏見港(宇治川沿岸)がある。

 

 

決勝進出を懸けた試合は両チームともエースが先発回避。個人的には、水戸一高のMAX141㎞エースを観たかったのだが…。

水戸一高は1回裏にいきなり3点を奪われる展開。5回表に1点を返し2点差に詰め寄ったが、5回裏に4点、さらに6回裏に2点を奪われ、1 - 9 (7回コールド)で敗退となった。

 
水 戸 一    000 010 0 = 1
鹿島学園  300 042 x = 9

 

 

伝統ある水戸一高の活躍に期待したい。

 

 

 

 

 

以上です。 

 

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